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第4話 ~悪魔のように繊細に、天使のように大胆に~ (後)

きりこは香炉に火をつけた。白檀の香りが部屋中に広がる。
そして、ちょっと考え込みながら、ゆっくり話し始めた。

「それはねー…。」

J・Jもゼファーもお茶を飲む手を止めて、きりこの方を向き直った。

「あたし、自分だけの売り場が欲しかったの。」
今からちょっと昔の話。

「ラスパルマスのお店の前はね、あたし、ハンブルグでパン屋をしていたの。」

「ハンブルグっていうと、北ドイツの工業都市か。」

「そうそう。鍛冶工房を訪ねて、ブールやスコーン、ミートパイとかを売り歩いていたのよ。そのときはね、最新の技術を学ぶイングランド人がすごくいっぱい来てたんだけど、食事には結構文句たらたらだったのよ…。」

「まぁ、確かに昨日もソーセージ、今日もソーセージ、明日もソーセージ、明後日も…だと飽きるどころではないね。私もそんなにお肉好きじゃないし…。」

「英国紳士は食事に拘らない…といいつつも、俺もスコットランドのハギスは見たくも無いな。やっぱりうまい物の方がいいに決まってる。」

ゼファーとJ・Jは苦笑しながらも肯く。

「お店は繁盛したわ!作っても作っても売れる。材料が足りないから、リューベックまで小麦を仕入れに行ったりね。でもね。」

「でも?」

「お料理のレパートリーは増えたけど、ここで需要があるのはやっぱ、簡単なお料理なのよねー。利益も頭打ちになっちゃったし。」

この街では、もっと上等な料理は売れにくい。職人たちは片手にパン、片手にハンマーを持って、わずかな食事の時間をも惜しんで仕事に励んでいる。

「だから、ハンブルグのお店は閉めたの。当時同じ商会の子でお料理修行してた子に、後を頼んでね。その子の他にも、お料理の修業の子が行商に来てくれるようになったから、安心してハンブルグを離れられたわ。」

「でも、それって答えになってないよね。ラスパルマスのことは。」

ゼファーが真顔で指摘する。

「ちょっと待ってよ、その先もあるから。その後はロンドンにお店開いたのは覚えてるよね。ぜふぁ㌧のお店の隣でやってたの。」

「うん、覚えてるよ。でも一ヶ月で閉めちゃったね。」

「売上はそこそこあったけど、大都市にはあたしみたいな料理人はいっぱいいるわ。閉めた理由はそれだけ。」

「それで、腕っ節の強い奴ら以外はあんまり近寄りたがらないラスパルマスへ行ったってことか。くーちゃん、えらい極端だな。」

J・Jは大声で笑った。

「最初は好奇心だったの。通い始めた頃、海賊さんによく言われたわ、物好きだって。今でもお客さんに言われるよ。でも続けているうちに、いつも寄ってくれるお客さんがいて、いろんな話をしてくれて。それが楽しくってね。」

「まぁ、ある意味で「港の主」になりたかったってことなんだな?」

J・Jの意地悪な突っ込みに、ゼファーは紅茶を噴き出した。
きりこは苦笑いで誤魔化そうとしていたが、多分図星だろう。

…。

小一時間ばかり笑いあっただろうか。お茶を何杯おかわりしただろうか。
二人は船の用意が出来たということで、きりこの部屋を後にした。
無事の再会と、お土産の約束を交わしながら。


……。

きりこは頭につけている羽の髪飾りを手に取り、懐かしむように見つめながらつぶやいた。

「ねぇ、あなたは今ごろどの辺を冒険してるのかな…。」

「あなたと約束した通り、あたしね、カナリアのオアシスになれるよう頑張るよ。」

「相変わらず血生臭いところだけど、少しは…みんなに喜んでもらえてるのかな。」

「だから、この海を…ずっと見守っていてね…。」

白檀の香りが、きりこをやさしく包み込んでいた。
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コメント

続きキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

なるほどなるほど、楽しかった!
羽の髪飾りくれたひとの話はでるのかな?

そして白檀!!

おお~ 気になる終わり方!!!
しかし綺麗なまとめ方するなー、勉強になります!!

そして仏壇・・白壇!!

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